Teachings From The Earth

本気で「自然を残さなきゃ!」と感じさせてくれる「トラッキング」をしにフィールドへ出掛けよう

我々は「無視」しちゃってる?

太陽が昇る場所。

鳥達の鳴き声、鳴き方。

野草の生える場所、時期、種類。

そして人間以外の「動物」たちの動き、居場所。

大地と共に生きる人々が、強く意識していた全ての事。

現代生活を送る我々は、それらを殆ど意識しません。

我々が「冷たい」からではなく、毎日を送るにあたって、意識する必要がないのです。

ですから我々は、他の自然の住人達を「無視」している・・・と言えてしまうのかもしれません。

 

古来の狩人気分になれる「トラッキング」

kamosika

そんなわけで、もっと「自然」に出掛けましょう。

「こんなに沢山の生き物達が『地球』には住んでいるのか?」

と、頭で知るのではなく、実際に「感じ」ましょう。

特にお勧めなのが「トラッキング」に出掛けること。

古来の狩人のように、野生動物を「追う」のです。

でも目的は「狩る」のではなく「見る」こと。

野生動物を実際に見た事がある方って、実は凄く少ないんじゃないかと思うんです。

 

Awareness(気付き)があれば、痕跡一つで充分楽しめる!

sika

いきなり闇雲に、「鹿はどこだ?」「イノシシはどこだ?」と辺りを見回しても見つかりません。

彼等はおそらく、我々の音や匂い、気配を逸早く察知して逃げてしまっています。

ではどうするか?

あちこちに残っている「痕跡」を探すのです。

新しい痕跡を見つける事ができれば、その先には、その「主」が待っているかもしれません。

痕跡を見つけたら、そこから次の痕跡を探すだけでなく、それを残した「主」の魂に触れていってみましょう。

すると、たとえ動物を実際に見れなかったとしても、充分に楽しめます。

 

トラッカーの目を養う – この写真からどれだけの情報を読み取れますか?

200804061711000

これはイノシシと思われる足跡です。(傍にあった糞などから予想)

形を覚えれば、先ずそれが何の動物か判断が出来ます。

でも、もっと面白いのは、この先なんです。

写真を撮った時、地面は凄く硬くて、こんなくっきりとした足跡は、いくら重いイノシシでも、とうていつかないはず。

そうなると先ず、雨でぬかるんだ時についた足跡だと予想できます。

天気の記録を調べると、おととい が雨。

「じゃあイノシシは、一昨日ここに居たのか。」

と、目の前の足跡に、「生命」が少し宿ってくる感じがしてきます。

更によく見ると、この写真では分かり難いですが、足跡の内部には、雨が落ちた痕はありません。

すると、イノシシがここを通った時には、雨は止んでいた?

という仮説が立てられます。

お天気記録を見ると、雨が止んだのは、夜の11時くらい。

付近のイノシシは夜行性が一般的なので、夜11時から、夜明けまでの間にここを通った事になります。

こうやって一つの事がまた分かると、足跡から発せられるイノシシの「雰囲気」みたいなものがまた、はっきりとしてきます。

先生はその「雰囲気」を、「残留意思」と呼びます。

「雨上がりの深夜のこの森の中を、向こうへ歩いていったのかあ。」

イノシシの目線の高さになって、その方角を見ます。

深夜の湿った森を、肌感覚で想像します。

その時漂っていたであろう香り、感じていたであろう体感温度なども、想像して感覚にまとってみます。

その時に自分の中で感じられるイメージが、足跡を残したイノシシが感じていたものと、近ければいいなあと何故か願ってしまいます。

一つの痕跡が、文字を通してではなく、「感覚」を通して、肌で感じられるような「物語」を語ってくれる。

それを感じ取るだけでも凄く楽しいのです。

 

「感情移入」が自然に出来る

それ以外にも、上記の写真には沢山のストーリーが隠れています。

草が踏まれている、その過程や理由。

足跡が何処へ向かっているのか?

何故ここに居たのか・・・などなど、物語を読み取ろうとしていくと、その動物に、いつのまにか「感情移入」します。

彼等が実際に、そこで「生きている」という臨場感を感じる。

そこに実際に「居た」彼等の気持ちを察しようとする。

そんな体験をしてしまうと、もう「他人」のような気はしなくなり、例えば

「彼等の住んでいる森が無くなる!」

なんて事になると、本当に心が痛むのです。

この、他の自然の住人への「感情移入」こそ、我々が、する必要がなくなってしまったことです。

ino

きっとその「感情移入」は、「自然を残さなきゃ」という大切な気持ちに、ターボエンジンをかけてくれるのだと思います。

そういう意味でも「トラッキング」は、皆に体験してみて欲しいですね。

「自然を残したい!」

という気持ちが、凄く強く「根付く」と思います。

次回は「痕跡を読み解く」事について、もう少し掘り下げてみようと思います。

気分はシャーロックホームズですね。

 

近日開催のワークショップ

関連記事一覧

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

Facebook

ベストセラー獲得!

ベストセラー獲得!

代表 川口拓の初著書「BUSHCRAFT MANUAL サバイバル術で楽しむ新しいキャンプスタイル」絶賛発売中です!

代表著書2冊目!

代表著書2冊目!

代表著書の二冊目が出ました!親子で野遊びしながら「自然の教え」「生きる力」を育もう!

PAGE TOP