近い内に首都直下型の大きな地震が来るかもしれません。
南海トラフ地震は、明日に起きてもおかしくないと言われます。
「何か災害対策をしておかなきゃ。」
という気持ちは皆さんお持ちだと思います。
でも、どこから手をつければいいのでしょう?
「情報」は沢山集まるけど・・・
災害対策プランをたてる参加者さんたち(災害対策インストラクター講習より)
災害対策に関する情報は、ネット上でも沢山手に入ります。
そしてそれらの情報は無料で公開されています。
公的機関、専門家の方々が分析した被害想定や、実際に被災された方々の発信するものまで、信頼度満点のものばかりです。
ところがそれらを読んでみただけでは、何となく分かったような気にはなるものの、何か物足りない気がします。
「これを読んで、被害想定を頭に入れて・・・これで対策を練った事になるのかなあ?」
なんていう気分になるのではと思います。
そう、情報は集めて目を通すだけでなく、「運用」しないといけないのです。
実際に「機能」するプランをたてるには?
ビルに囲まれた道を歩いている時に大きな揺れが来たら?を想定し、対策を練るインストラクター候補生さんたち
さて、「グラッと揺れたら直ぐに机の下に隠れる」
という情報が集まったとします。
傍に机があったら、咄嗟にその行動をとり、身の安全を確保出来る事も勿論あるでしょう。
ところが机がない場所で地震に合うかもしれません。
机が揺れによって移動してしまったり、家族全員が机の下におさまらないなんてこともあるかもしれないです。
とても有名な対策ですが、実際に機能する対策を立てるには、もう少し詰めないといけません。
一箇所一プランを心掛けよう!
災害対策インストラクター候補生さんたちが提出してくれた綿密な災害対策プラン
そんなわけで、「情報」を、具体的に、「実際の状況、環境」に当て嵌めていきましょう。
揺れたらまずどうするか?
その行動プランを、自宅、通勤途中、会社内という、最低三箇所用に立てます。
もっと機能させたいのであれば、「自宅」という大きな枠でなく、リビング、台所、寝室など、それぞれ別の対策プランをたてます。
そこで普段、何人の人が過ごしているのか?
何処に家具があって、その大きさや、家具までのスペースはどのくらいあるのか?
落ちてくるものや、倒れてくるものはないのか?
などを考慮して、それぞれの場所で、「具体的な行動パターン」を見積もっていくことが大切です。
そんなわけで皆さん、先ずは「自宅」「通勤途中」「職場」の三箇所にわけ、情報を集めてみることから始めましょう。
情報を泳がせておくのではなく、しっかりと型に嵌めていく。
そうすればきっと、
「よし、これなら何とか災害時にもきちんと行動できそうだぞ。」
という、ストンと落ちたような感覚になることでしょう。
記事を書いた人
WILD AND NATIVE 代表 川口 拓
- サバイバル・インストラクター
- 自衛隊危機管理術教官
- 自衛隊サバイバル術教官
- 一般社団法人危機管理リーダー教育協会(CMLE) 代表理事
- CMLE 災害対策インストラクター養成トレーナー
- CMLE ブッシュクラフトインストラクタートレーナー
1971年、世界で定められている地球の日(4月22日)に生まれる。幼少の頃より自然が好きで、渓流で魚を獲り、その場で焚火で焼いて食べたり等、自然に親しみながら子供時代をすごす。
1996年~2004年、カナダやアメリカを何度も訪れ、雪山登山、ロッククライミング、カヌー、カヤック、野外救急法、野外教育法、ネイティブアメリカンの古来の教え、大地と共に生きるサバイバル技術等を学ぶ。
2001年より WILD AND NATIVE を主催、2013年、一般社団法人危機管理リーダー教育協会を設立。現在も自分で学びながら、ネイティブアメリカンの大地と共に生きる術、哲学、アウェアネス(原始の感覚の使い方)、サバイバル技術等を、一般の方々から、現役自衛官、警察官の方々に至るまで、幅広く共有している。
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